薬剤師国家試験対策として少しずつまとめていこうとおもいます!
私なりにまとめた物なので不備等あると思いますがあった場合はコメントなどで教えてくれると嬉しいです!
混成軌道について
原子価結合法で電子による結合はなんとなく分かっていると思います。(共有電子対や非共有電子対など)
それらで出てきた電子を出し合って結合する際に必要になる概念が今回の混成軌道になってきます。混成軌道の種類は1つではなくsp³混成軌道、sp²混成軌道、sp³混成軌道の3つが主になってきます。
sp³混成軌道
もっともスタンダードな混成軌道。2s軌道に1個、2p軌道に3個用いられた混成軌道。
結合角は109.5°であり正四面体構造をしています。
例)メタン(CH₃)、アンモニア(NH₂)

結合角の例外として水(H₂O)、アンモニア(NH3)があげられます。
メタンが109.5°なのに対して水は104.5°、アンモニアは107.3°になっています。
sp²混成軌道
主なsp²混成軌道は二重結合。2s軌道に1個、2p軌道に2個用いられた混成軌道。
結合角は120°であり平面構造をしています。
例)エチレン(H₂C=CH₂)

sp3混成軌道ではなくsp2混成軌道にあたる原子としてホウ素(B)があります。
なぜ例外なのかというとオクテット則によると最外殻電子は8個で安定となるとされています。
しかし、ホウ素の最外殻電子は3個しかなく水素(H)3つと結合する場合電子が1つもない軌道(空軌道)が存在してしまい結果としてsp2混成軌道になります。
(3フッ化ホウ素(BF3)などでも同じことが言えるので注意しましょう)

ホウ素は分かりやすい例外なので国家試験の必須問題などでも「sp3混成軌道を1つ選べ」の中に入れてくるのでしっかり覚えて必須の点数上げましょう!
sp混成軌道
主なsp混成軌道は三重結合。2s軌道に1個、2p軌道にも1個用いられた混成軌道。
結合角は180°であり直線構造をしています。
例)アセチレン(HC三CH)

混成軌道まとめ
3つの混成軌道の結合角と正四面体などの構造はしっかり覚えましょう。(余裕があればどの軌道を何個使っているか覚えられるとGoodです)
例外もいくつかやりましたが国家試験は例外が好きなのでセットで覚えられると今後楽になってくると思います。
混成軌道によって原子間の結合距離が変わってくるので押さえておきましょう。
混成軌道 | 結合距離 | 構造の例 |
sp | 短い | C三C |
sp² | 中間 | C=C |
sp³ | 長い | C-C |
共鳴と共役
紙などで書き示している構造は電子がある一点の時間から一番図式しやすい状態を切り抜いたものを表しているにしかすぎません。
電子が非局在化(分散)することによって分子は安定するのですがそれができる構造の1つが二重結合と単結合が交互に連なっているものでそれを共役系といいます。

ではなぜ上記のように共役系は安定するのかというと共鳴するからと考えられます。
共鳴はπ結合を介して電子が分散することで構造が安定化することです。これが理解できると今後化学の反応を勉強する上で役に立ってくるのでしっかり押さえておきましょう。
- 共鳴構造は電子の位置が異なるだけであるため原子の位置などは変化しない
- 複数の共鳴構造がある場合にどれかだけが存在するのではなく混合体として存在しているため分離などはできない
- 複数の共鳴構造がある場合に全てが等量存在する訳ではない(安定性の違いなどから)
- 共鳴構造は原則としてオクテット則に従う
- 複数の共鳴構造がある場合は両矢印を用いる

上記の共鳴構造は2パターン考えられますが今後構造が複雑になってきて数パターン考えられる場合はパターン数が多いほど安定と言えるのでそこから安定性の違いを考えてみてもいいかもしれません。
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