MRIはどのような仕組みで体内を画像処理しているのかをまとめていきたいと思います。
さらに薬学生、薬剤師向けにMRIに対して注意が必要な薬剤などについてもまとめていきます。
MRIとは
MRIという名前を知らない人は少ないのではないでしょうか。
MRIは正式名称を「Magnetic Resonance Imaging」 といい、日本語で「磁気共鳴画像診断装置」といいます。
寝転がってドーナッツ方の装置に入ることからCTとの違いが分からない方もいると思いますが見た目はともかく中身のやっていることが違います。
MRIは磁気共鳴画像診断装置と言われているように磁気を利用して画像データを作成します。
人の体は60%が水分でできています。その水分(水素原子)は通常状態ではみなバラバラの方向を向いています。


この体内へ高磁場をかけると水素原子は同じ方向を向きます。
そこへ電波を加えるとさらに別の方向へ向きます。


電波を切ると元の磁場の方向に向くのですが臓器や腫瘍によって磁場の方向に戻るスピードが違います。このスピードの違いを検出することによって各臓器の違いや異常を発見していきます。
これだけが理由ではありませんがもとの方向に戻るのを待つため検査時間はCTなどに比べて長い傾向にあります。
薬剤師として注意したい点
MRIは強力な磁場を利用するため使用できない薬剤やMRIを受けられない人が存在します。
薬剤、人に共通しているのは金属を身につけている人です。
代表的なのがペースメーカーを埋め込んでいる人機械に影響を与えてしまうのでMRIを受けることができません。
他にも入れ墨を入れている人は断る医療機関が多いです。これは顔料に金属が含まれているため低温やけどなどの原因になるからです。
顔料全てに金属が含まれているわけではありません。少量であれば問題ないケースもあるかもしれませんが医療機関のスタッフが見ただけでそれを判断することは不可能なため一律で断る傾向にあります。
次にMRIで使用できない薬剤です。
薬剤も金属に関わるものが使用不可になっています。その代表例が貼り薬(外用剤)です。
代表的な使用不可薬剤の一覧です。
商品名 | 成分名 | 原因成分 |
ニュープロパッチ | ロチゴチン | アルミニウム |
ニコチネルTTS | ニコチン | アルミニウム |
ノルスパンテープ | ブプレノルフィン | アルミニウム |
ニトロダームTTS | ニトログリセリン | アルミニウム |
上記4つは支持体などにアルミニウムが含まれているためやけどの恐れがあるため添付文書においても注意として記載があります。
ニトロダームは使用不可ですがミリステープ、フランドルテープ、硝酸イソソルビドテープはアルミニウムを使用していないためMRI前に剥がすなどは必要ありません。
まとめ
MRIやCTは現在の医療ではなくてはならない医療機器の1つになっています。
今回取り上げたMRIでは使用できない薬剤があるので指導時などに注意が必要です。
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