職場でオンジェンティスⓇ(オピカポン)の新規採用を検討するとのことで少し調べてみたのをまとめてみました。
カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ阻害薬(COMT阻害薬)の作用機序ではエンタカポンが主流だったので違いを少し見てみました。
禁忌
エンタカポン | オピカポン |
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者 | 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者 |
悪性症候群、横紋筋融解症又はこれらの既往歴のある患者 | 悪性症候群又は非外傷性横紋筋融解症の既往歴のある患者 |
褐色細胞腫、傍神経節腫又はその他の カテコールアミン分泌腫瘍のある患者 | |
重度肝機能障害(Child-Pugh分類C)のある患者 |
禁忌事項においてはエンタカポンに重度肝機能障害とカテコールアミン分泌腫瘍等のある患者などが追加された感じになって注意する点が増えてますね。
効能効果
レボドパ・カルビドパ又はレボドパ・ベンセラジド塩酸塩との併用による
パーキンソン病における症状の日内変動(wearing-off現象)の改善
用法用量
エンタカポン | オピカポン |
通常、成人にはエンタカポンとして 1回100mgを経口投与する。 なお、症状によりエンタカポンとして 1回200mgを投与することができる。 ただし、1日8回を超えないこと。 | 成人にはオピカポンとして25mgを1日1回、 レボドパ・カルビドパ又は レボドパ・ベンセラジド塩酸塩の 投与前後及び食事の前後1時間以上あけて 経口投与する。 |
本剤は、レボドパ・カルビドパ又は レボドパ・ベンセラジド塩酸塩と併用する。 | 本剤は、レボドパ・カルビドパ又は レボドパ・ベンセラジド塩酸塩と併用する。 |
エンタカポンは1日に数回投与しなくてはならなかったのに対してオピカポンは1日1回の長時間作用型になったのが本剤の大きな利点だと思います。
しかし添付文書によると食後投与によってCmaxは0.53倍、AUC0-∞は0.57倍と影響がとても大きいことが分かります。処方監査の際には用法をしっかり注意して見ていきたいです。
薬価
エンタカポン | オピカポン |
54.4円/錠 | 972円/錠 |
1錠あたりは圧倒的にオピカポンが高額ですがオピカポンは1日1回1錠なのに対してエンタカポンの最大量は16錠なので870.4円になり差は少し埋まりますが値段で優劣はつけにくいと思いました。
重大な副作用
エンタカポン(全て頻度不明) | オピカポン |
悪性症候群 | ジスキネジア(17.3%) |
横紋筋融解症 | |
幻覚、幻視、幻聴、錯乱 | 幻覚(4.4%)、幻視(2.8%) 幻聴(0.7%)、せん妄(0.5%) |
突発的睡眠、傾眠 | 突発的睡眠(1.2%)、傾眠(2.1%) |
肝機能障害 |
エンタカポンは重大な副作用の頻度は全て不明なのに対してオピカポンは全て発現率が出ています。ジスキネジアが17.3%と高めなので特に注意して説明等していきたいです。
まとめ
今回オピカポンについて少し調べてみましたが用法からエンタカポンと大きく違うため処方監査前に注意していきたいです。
今回違いをまとめたのは添付文書に基づいて一部にフォーカスしたに過ぎないので今後発売から時間が経っていったら変わっていくと思います。
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