バイアルから薬液をシリンジで吸いだしたり、薬剤を溶解させてから吸い出しを行う際に必要な技術として陰圧操作があります。
なぜ陰圧にして操作しなくてはならないのか、手技などまとめました。
なぜ陰圧で操作しなくてはならないのか?
そもそも陽圧と陰圧とは何かということですが、これはバイアル内の圧力が外より高いのか低いのかで分類されています。
外よりバイアル内のほうが圧力が高い場合は陽圧となり、逆に低い場合を陰圧といいます。
抗がん剤などの混注をする際にバイアルを陽圧にしてしまうとバイアルから針を抜いた時などに中の薬液が噴出してしまい被爆の原因となるため常に陰圧の操作が求められます。

陰圧操作の方法
陰圧操作を行うにあたって心持ちとしてはバイアルに針を刺したらシリンジのプランジャーを押し込むことは絶対に無いという点です。
陰圧操作はシリンジ内にとった空気と薬液を置換していくイメージで行うとスムーズに行えます。
今回は例としてバイアルから10ml陰圧操作を用いて吸い取ることとします。
・欲しい液量より数ml少ない量の空気をプランジャーを引いてシリンジへ取り入れる。

・針をバイアルへ刺す。
・バイアルを上にし、針先が薬液内にあるように配置する。

・プランジャーをゆっくり引き、薬液をシリンジ内へ採取する。
(このとき勢いよく引いたり、手を離すと薬剤の泡立ちの原因になり必要薬液量が採取できなくなるので注意してください。)

・ある程度プランジャーを引くとバイアル内が陰圧になりすぎて引けなくなるので適度な所で針先を薬液から出して手をゆっくり離して圧力を均等にする。(手を離すとプランジャーが勝手に戻ります)

上記を繰り返して目標の10mlまで採取すれば陰圧操作は完了です。
まとめ
注射製剤の調整は病院だけでなく在宅においても無菌混注が必要な場面が増えているので今後もこういった手技の需要は増えていくと思います。
陰圧操作は無菌混注や抗生剤の調整などでとても重要な手技の1つになるので繰り返し練習してできるようになりましょう。
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