輸液類の中には下のビーフリードのように部屋が2つに分かれており、使用する前に開通する作業が必要になります。
なぜこのような作業が必要なのかと言うとメイラード反応を防ぐのが目的の1つになります。
メイラード反応がどういうもので何がいけないのかをまとめてみました。

メイラード反応とは
メイラード反応は1912年にメイラードさんが発見した反応のためメイラード反応と名付けられているみたいです。
メイラード反応はアミノ酸などのアミノ化合物と還元糖などのカルボニル化合物が反応することにより着色、芳香の発生など様々な反応を引き起こします。
この反応は医薬品だけでなくアミノ酸と還元糖がある場所ではどこでも起こるため食品内でも多く行われています。
発酵食品の納豆や味噌が製品により色が違うのは材料の違いもありますがメイラード反応の進行度の違いなども関与していると言われています。
メイラード反応の最終生成物の1つであるメラノイジンは褐色物質であり、このメラノイジンが生成量により着色度に違いが出ます。
輸液類のメイラード反応
輸液類に関してはメイラード反応による最終生成物の1つであるメラノイジンによる着色が問題になります。
色が付くことが問題なのではなく、メイラード反応により生体内に欲しかった糖とアミノ酸を消費してしまい、必要な栄養やカロリーを摂取できないのが問題になります。
そのため、最初に写真で示したようにアミノ酸と糖を別の部屋にしておくことによりメイラード反応を起こさせないようになっています。
メイラード反応は2つの部屋を開通した後に数分で着色するのでははく、数日の時間を要します。
そのため医療施設では最長でも24時間で点滴が終了するように設定する場合が多いようです。
実験してみました
実際に私が開通して放置する実験をしてみました。

製品は違いますが、最初の色は左のような黄色でしたが2週間ぐらい経つと右のように茶色がかってきました。
まとめ
メイラード反応は医療の現場で起こるようなことはほとんどありませんがなぜ輸液類には使用前に分かれた部屋を開通する必要があるのか理由を知っておくと今後の勉強に役立つと思います。
電解質輸液についてもまとめています!
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