カリウムが低い患者さんにはカリウムを投与するという方法がありますが、高い患者さんにはどうしたらいいのかというと今回のGI療法(グルコース、インスリン療法)を用いる方法があります。
インスリンの生体内における生理作用を利用してカリウムを下げる方法を解説していきます。
インスリンの作用
通常血糖値の上昇と共に膵臓β細胞からインスリンが分泌され血液中の糖を筋肉や肝臓へ分布させて血糖値を低下させます。
糖を持ったインスリンが筋肉などに運ぶ際に通る道をGLUT4(促進拡散型グルコーストランスポーター)
このGLUT4は糖を持ったインスリンが作用すると細胞内から顔を出してインスリンを取り込みます。さらにインスリンの量が減ったらまた細胞内へこのトランスポーターは隠れるといった作用を持ちます。
GLUT4はインスリンと共にカリウムも同時に取り込む共輸送体(同時に取り込む)です。
GI療法(グルコース、インスリン療法)について
インスリンについては上記でまとめた通りです。
インスリンを投与することにより糖とカリウムを同時に細胞内へ取り込み血中カリウム濃度と血糖値を下げます。
ここで注意したいのが血糖値が基準値の患者さんにインスリンを投与すると低血糖を起こしてしまいます。
低血糖対策のためにグルコースを投与するという治療法です。
余談ですがカリウム値が低い糖尿病の患者さんではグルコースと共に取り込むカリウムが少ないためうまく血糖値がコントロールできない場合があります。
参考文献
電解質及び糖質の輸送と代謝に関する基礎並びに応用研究
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